プログラミングの技術や発想力を競う「ぐんまプログラミングアワード(GPA)2025」のファイナルステージが行われた23日、会場の昌賢学園まえばしホール(前橋市)では、デジタルクリエーターやご当地アイドルら多彩なゲストが人工知能(AI)など先端技術を駆使した演出で会場を盛り上げた。
ステージは、高崎市のCG(コンピューターグラフィックス)アーティスト、石川元太さん(35)が制作した、UFOが前橋上空に襲来するCGで開幕した。続いて本県のご当地アイドルグループ「あかぎ団」のメンバー5人が元気あふれるパフォーマンスを披露。バーチャルメンバー「ボニー・G・はるな」も登場し、「プログラミングはバーチャルアイドルを作るのに欠かせない技術なんだよ」と呼びかけた。
発表の合間には生成AIラッパーによるラップバトルが会場を沸かせた。「群馬と栃木のどっちが魅力的?」というお題に対し、2組のAIラッパーが群馬側と栃木側に分かれ、観光地や歴史などそれぞれの魅力をリズミカルに言葉で発して競い合った。韻を踏むのを忘れるなど“人間らしい”失敗もあり、来場者を笑わせた。
前橋工科大の田所淳准教授(53)はリアルタイムでプログラミングを実行する「ライブコーディング」を披露。不思議な音と映像が流れる独特な世界に引き込んだ。
人気テレビ番組「秘密のケンミンSHOW極」などを手がけた太田市出身の放送作家、岐部昌幸さん(47)と任天堂の名作「ゼルダの伝説シリーズ」を開発したゲームクリエーター、今村孝矢さん(59)によるトークセッションも行われた。岐部さんはクリエーターの先輩として「『うまくいかない』といった言葉を気にせず突き進む力が絶対に大事だ」とファイナルステージ進出者らにエールを送った。
会場には協賛企業のブースが並んだ。最新ロボットの実演、プログラミング体験やAIを活用したイラスト作成体験のコーナーなどがあり、来場者の関心を集めた。
ジュニア部門に出場した弟の応援で訪れた梅沢咲歩さん(小学6年)は「自分でアプリやゲームを作るなんてすごい。私もちょっとだけプログラミングをやってみたいと思った」と声を弾ませた。
(文 中村穂高、写真 越谷奈都美)
掲載日
2025/08/24