GPA最高賞の「トマールくん」 実用化へ県警と情報交換

 自転車事故を防ぐ装置を開発している前橋高(天野正明校長)の科学・物理部は23日、前橋市の同校で県警警察官と情報交換した。実用化に向けて専門的見地から助言を得た。

◎開発中の前高生が自動ブレーキ実演
 装置「トマールくん」はカメラと人工知能(AI)を使い、車を認識して自動で自転車のブレーキを引く仕掛け。上毛新聞社主催のぐんまプログラミングアワード(GPA)2023で最高賞に輝いている。
 担当の部員5人が県警交通部と前橋東署の警察官計10人を前に、作動する様子を実演した。生徒は装置の法的な適合性、AIの判断で事故が起きた際の過失責任などを尋ねた。県警側から「一時停止標識を認識して自転車が必ず止まるようにできるか」と質問され、既に実現したと答えた。
 同署交通課の狩野慎太郎課長は「自転車の事故防止に役立つ。実用化へ期待大です」とエールを送った。
 3年の猪熊蓮音さんは「専門家のフィードバックを得られて良かった」と話した。本県の自転車通学中の中高生1万人当たりの事故件数で全国ワーストが続く状況を受け、中学時代に経験した出合い頭の事故に着想を得て開発を始めたという。8月の全国高校総合文化祭(岐阜県)などでも取り組みを発表する。
(高野聡)

掲載日
2024/07/24

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